せまい部屋

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いけにえと雪のセツナ感想

発売日に買ってこの週末でエンディングまでクリアしたため感想。大体15~20時間。

SQEX設立のRPG専門スタジオ1作目 & 90年代JRPGのゲーム体験ということでそれなりの期待とともにプレイ。因みにはっきり覚えている自分の9x年~SQorEX(SQEX)製RPGといえばDQ35678、FF67891013、聖剣3。

www.jp.square-enix.com

物語

記憶に残る物語ということで、ストーリー中心にそこまでインパクト出すのはコンテンツ飽和な昨今に置いては多分に難しいことだけど、感想としては水準超えした上で普通にまとまった物語+ゲーム体験だった。

まとまった感じがしたのはプレイ中大体の部分において、なぜにいけにえが必要か、どうしてそこに行くのかとかプレイヤーを動かしていく部分に違和感がなかったからかも知れない。また、ボリューム感の少なさややりこみ要素の少なさが逆に貢献してる部分もある気がする。(大鎌の男がなぜいるのかはクリアして書いてる今もよくわかってない。。。)

特徴的な終始白銀世界である部分は本当に雰囲気醸成に貢献してて素晴らしい設定だと感じた。天邪鬼ゆえに途中一度だけ南国フラメンコ的な町無いのかねと思い立ってしまったがそれこそ愚かというか、一貫して雪がテーマぽい部分だったのでこれでよいのだと思う。ほんと世界観の確立は重要である。

前情報ではクロノトリガーといった名作が引き合いに出されていたが、あくまで90年代RPGを嗜んだ層が知ってるあの感覚を踏襲して余計なことをしないという方針はいい方針だなと感じた。この手のゲームはある種一つの小説を体験しながら読み進めたいという感覚に近いのかなと考えてる。エンディング直前最後の引きは久しぶりにおぉという感じだった。

無用にドンパチしたい訳ではなくひたすらな自由度がほしい訳でもない。ただ魅力的な話に浸りたいという欲求ならそれなりに満足いくゲームと思った。

dengekionline.com

バトル(システム)

昔のPRGへの準拠を念頭にという感じ。ABT(コマンド式)万歳。

唯一個人的にあるとすれば3つめの村くらい目まで刹那システムがよくわからなかった。あえて説明するならば攻撃時タイミングよく□押すべしということなんだけど、2,3操作含む感じでチュートリアルしてくれると良かった気もする。如何せんあとからこれなんかできるぽいけどよく分からんという感じになってしまった。ついでに、刹那発動□ボタンは地味に受付タイミングがあるようで、連打では発動しなかったりした。始めこれでなおさら意味がわからなくなったけど自分だけか...

ゲーム中のコンフィグから覚書として解説が見られるようになっているけど、概念的な説明のみだった。変なチュートリアル的な事しゃべりだすとせっかくの世界台無しなので含まれていないのだと思う。この辺決定稿どうするかは悩ましいのでしょう。

キャラ

基本セツナ中心でてんやわんやということになるけど、もう少し他のキャラが生きる場面も欲しかったと思う。愚直にたたかうコマンド選択でいい感じにレベル上げするスタイルに落ち着いてくると、固定のメンバーだけ使ってれば良くなる。それはそれで良いのだけど、例えばFF9に見られたように極端にメンバーバラバラになってその場にいるキャラのみで結成されるパーティであったり、例えばDQ7における回復役不在に付き薬草買い込まないと死ぬパーティみたいな、キャラを知らないと辛い=キャラの良さが見えてくるみたいなのはなかったように思う。自分の場合、ストーリー上クオンとか実はあれなのにヨミさん加入以降特段思い入れが無いわけです。同様の触りの浅さが主人公にもあって、結局仮面の一族がどんだけスーパーなのかが投げられてるような感じもした。歴史的に実は仮面一族が云々みたいな展開で掘り下げられてもよかったのかなという心境。

音楽

全部ピアノ。曲自体の良さがあってこそですが、これもこれで世界観とともに振り切った設定だからこそ味が出てるのかなという印象を覚える。一番良かったのはマップ中にいきなり雪原のような特に何もないポイントがあって、入るとTHE大雪原的な音楽が流れてくる。まじ雪原。

なんかピアノ弾きたくなる。それくらいは魅力的と思えた。

まとめ

タイトルでも宣伝ビジュアルでも何がしか引っかかる物があれば、プレイして懐かしんでみるのが良いと思う。個人的にはやはりこういうゲームが好みなので、Tokyo RPG Factoryの次の一手を待とうかなという所存。

おまけ

TADD on Twitter: "どうやら開発にpress any keyの意味がわかる人はいなかったみたいだ https://t.co/VZclbs75dS"

ちょうど上を見た時期だったわけだけど、最近のゲームは◯や☓ボタンで物事が進むという概念に対してアンチテーゼを唱えていくスタンスなんですかね